KiCadにはEAGLEの部品ライブラリをそのままフットプリントライブラリとして利用する機能はver.4.0.xから実装されています。ver.5.xにもその機能は実装されています。
しかしながら,EAGLEの部品ライブラリをそのままシンボル(コンポーネント)ライブラリとして使用する機能はありません。有志によってEAGLE部品ライブラリ→KiCadシンボルライブラリ変換ツールが作られ,これを使ってKiCadシンボルライブラリを生成して利用することが可能でした。
KiCad ver 5.x のEAGLEプロジェクトインポートには,インポートするEAGLEプロジェクトから使用されている部品のシンボルとフットプリントを自動抽出してローカルにシンボルライブラリ,フットプリントライブラリファイルを自動生成する機能があります。
このライブラリ自動生成機能を用いてEAGLE部品ライブラリからピックアップした部品群をKiCadライブラリに変換して利用する方法の概略を以下に記します。
注意
「KiCad 5.0.1にはEAGLEプロジェクトがインポートできないバグがある」とKiCad公式がアナウンスしています。5.0.2以降でバグ解消
- EAGLEで新規プロジェクトを作る。例ではlocal-lib
- 回路図エディタでKiCadで使用したい部品をピックアップして回路図に載せる。
例として,DCジャック,基板搭載用小型リレー,Arduino-ProMiniをピックアップした。
- レイアウトエディに移行し.brdファイルを生成。
- .sch,.brdファイルを保存してEAGLEを終了。
- KiCadを起動し,先に作成したEAGLEプロジェクトlocal-libをインポートする。
- インポートが終了した後にKiCadマネージャを見ると,フットプリントライブラリとシンボルライブラリが自動生成されていることがわかる。
- 回路図エディタでEAGLE由来のシンボルライブラリが組み込まれていることを確認
- レイアウトエディタで同様にEAGLE由来のフットプリントライブラリが組み込まれていることを確認
- 当然,シンボルライブラリエディタ,フットプリントライブラリエディタでEAGLE由来のライブラリを開くことができます。
- KiCadの他のプロジェクトで今回インポートしたライブラリを使用する場合は,今回自動生成されたライブラリをプロジェクトのフォルダにコピーしてプロジェクトに組み込んだり,自分独自のライブラリに今回自動生成されたライブラリから個別部品をインポートし収容すれば良い。
参考
下記のKiCad 5.x の自習用実習テキストを有償頒布しています。
KiCad 5.xの操作習熟にご利用ください。